~未来へつなぐ最高の一杯~第8回
アサヒ飲料京都支店長 氏家喜勝支店長
「飲料社も結構お酒好きが多くて。会社が終わると近くの居酒屋に仲間が10何人集まって、毎週のように飲んでましたよ」と入社当時の様子を話す、アサヒ飲料京都支店長の氏家喜勝氏。「この前ビール社の方と一緒に歓送迎会をやったんですが、僕、生ビール9杯飲みました(笑)」と、なかなかの酒豪ぶりだ。
たまにハイボールを飲む程度で、根っからのビール党だと話す氏家氏には、京都で味わった印象深い一杯がある。
東京出身で関西は未知の土地だったという氏家氏。京都への転勤が決まった際は、周囲の言葉や噂に不安を掻き立てられたという。
「どんなメンバーなんだろうとか、それこそ、お茶漬けを出されたら帰んなきゃいけないのかとか(笑)。いろんな事を勝手に思い込んでしまって、非常に不安を抱えてましたね」。そんな心境ながら仕事にまい進し、迎えた翌年7月。上半期の予算を達成した祝いの席で飲んだビールは非常においしかったという。
「その半年間を京都のメンバーと一緒にやり遂げたっていう感動。それが凄く込み上げてきました」と振り返る。当時の氏家氏が抱いていた不安は、思い込みが招いた過度の不安だったのかもしれない。しかしそうだとしても、新メンバーともにその不安を乗り越えた喜びは格別だったろう。
そんな氏家氏もこの9月で京都へ来て丸3年。“今後飲みたいうまい一杯は?”と聞くと、「飲料社とビール社で誘い合わせて色々とやって、お互い予算を達成して。京滋の皆でその嬉しさをわかちあって飲むビール。その一杯は最高でしょうね」と氏家氏。
現在、アサヒグループホールディングス傘下のグループ会社として連携を深めているビール社と飲料社。今後、さらに連携を深めていく事が求められているが、氏家氏が入社4年目に訪れた転勤先の群馬での思い出も、飲料社とビール社をつなぐ一つの架け橋になっている。
「ビール社と飲料社、総勢20名位で一緒にお酒を飲んだんですね。そのとき飲んだビールが大瓶で120本。ほんとによく飲みましたよ」。その時同席していたのが、当時、アサヒビール群馬支店の営業部長を務めていた、現アサヒ飲料会長の菊地史朗氏だった。「もう20年以上も前の話ですけど、その時一緒に飲んだビール社の方が、飲料社の会長として活躍している。私の事も覚えてくれてました。嬉しいですよね」と氏家氏。ビールを介して醸成されてきた人間同士のつながり。そのつながりが、現在のアサヒグループのシナジーを生み出す原動力の一つになっている。
※全国醸界新聞2013年9月27日号掲載
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