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黒ラベル奮闘記 第十六回 ~湯浅和久氏②~

「ドラフティー」商談のきっかけに

サッポロビール近畿圏本部 湯浅和久外食営業部長

 「あぁサッポロさん?来んでエエから」。

 商談の場で地場スーパーのバイヤー様に最初に言われた言葉だ。重いシャッターをいきなりガシャンと下ろされたようだった。兵庫県の西部は極端にシェアの低い市場だと判ってはいたが、黒ラベルどころか、取り扱いを検討されるメーカーにすらなっていないのが現状だった。

 そのシャッターが開くきっかけになったのは、発泡酒「ドラフティー」だった。組織小売店がこぞって外国産の商品を調達し始めていた頃で、何らかの不具合で輸入が途切れた時、その代替商品として採用のチャンスが巡ってきた。大型の食品売り場に下付されていた免許が、国産ビールを売れない限定免許だった事も幸いし、ドラフティーは大きな切り口になった。このきっかけがなければ、黒ラベルどころか何の商談も出来ない状態が続いていたかもしれない。

 発泡酒の伸びに伴いビールの定番化も少しずつ進んでいったが、母数が少ない分だけ伸び率は高く、それを目の当たりにした際の高揚感がのちの私の行動を後押しした。

  組織小売専任の営業として3年目、当時の福田支社長(福田貞夫氏/後に代表取締役社長)から、「大阪に流通営業部ができるがどうだ?」と打診されたが、私の中で関心が高まっていた地区担当の営業にしてほしいと希望を伝えた。兵庫県西部のシェアは低いが、経済活動は活発な地域で消費のポテンシャルは高い。ここで頑張ればすごい伸び率になるだろうという期待感があったからだ。

 その希望を聞き入れて下さったのだろう。その年の9月から姫路・播磨地区を担当するよう命じられた。

※全国醸界新聞2012年11月27日号掲載

※本記事の内容は日付等の記載がない限り「醸-かもす-」掲載時点でのものであり、将来にわたってその真意性を保証するものでないこと、掲載後の時間経過等にともない内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。

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