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黒ラベル奮闘記 第十三回 ~白石英樹氏③~

再び東京、二つの経験活きる

サッポロビール 白石英樹大阪中央支社長

 札幌中央支店で7年過ごした後、首都圏広域外食に配属となり、再び東京へ。東京ドームや神宮球場、小田急グループの飲食企業2社を担当した。

 東京ドームでは、販売時間が終了すると各社のアルバイトが売り上げ杯数を報告し合い、毎日競い合っていた。4社が参入しているだけに1位になる事は非常に難しかったが、それだけに一位なった時の喜びは特別だった。

 小田急グループさんとの仕事も楽しい思い出が多い。イタリアンレストランチェーンで樽生ビールの講習会やコンテストなどを企画すると、品質がビアホールと同レベルまで上がり、大変喜んでいただいた。そして、もっとビールが売れる業態をとお願いすると、居酒屋「豚道楽」を開発して下さった。出店構想はもともとあったのかも知れないが、私自身は「サッポロさんが言うんだから」と出店を決めて下さったのだと感謝している。

 新宿―箱根間を走るロマンスカーで樽生をお取扱い頂けるようにもなった。新型車両を造るという時に、黒ラベルの樽生をやりませんかと提案し採用していただいた。業者さんと二人で車庫に行って、汗だくになりながら車両にサーバーを取り付けてまわった。

 外食企業担当になり多くの方にご協力頂けたのは、札幌で飲食店の方と直接交流を深めた経験があったからだと思う。札幌に行く前の私であれば、外食企業の方の信頼とご協力を得る事は難しく、私自身も仕事が楽しく出来なかったと思う。東京で酒販店さんに営業として育てて頂き、札幌で外食産業を教えて頂いた。この二つの経験が二度目の首都圏での仕事の礎になった。

※全国醸界新聞2012年10月12日号掲載

※本記事の内容は日付等の記載がない限り「醸-かもす-」掲載時点でのものであり、将来にわたってその真意性を保証するものでないこと、掲載後の時間経過等にともない内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。

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