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Vol.10 個性の違う「ブラックニッカ」3兄弟

きのした ともかず/ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーレクチャラー。社内セミナーを機にウイスキーの魅力に目覚める。2022年9月現在、アサヒビール中部統括本部営業企画部で業務用の販促企画などを担当している。

 前回ご紹介させていただいた「ブラックニッカ クリア」は、軽やかですっきりとした味わいを追求した、ウイスキーを爽やかに楽しみたいという方や、ウイスキーが初めてという方にも気軽に楽しんでいただける味わいが個性なのですが、今回ご紹介させていただく同ブランドの「リッチブレンド」と「ディープブレンド」は、ブランドの特長はそのままに「クリア」とは異なる個性を持つ、まさに兄弟といえるウイスキーです。

 「ブラックニッカ リッチブレンド」の個性は「芳醇」さです。

 その味わいの骨格を形づくるのは、シェリー酒由来のフルーティーな甘味や香り、コクといった要素が熟成の間に反映された「シェリー樽原酒」。そして、決して重すぎず、決して軽すぎない非常にまろやかなコク感です。その二つの特徴が、華やかで品の良い香りと甘さや豊かなコクを持つ、「芳醇」な味わいを生み出しています。

 リラックスタイムを文字通り「リッチ」に楽しみたい。そういった方におすすめの「リッチブレンド」ですが、もう一つの「ブラックニッカ ディープブレンド」は、熟成感のあるウイスキーを、時間をかけてじっくりと楽しみたい、そういった方におすすめです。

 ホワイトオークの新樽で熟成させたモルト原酒をキーモルトとし、樽の香り豊かなグレーン原酒をブレンドした重厚なウッディ感に、ほのかなピート香も相まって、上質なビターチョコレートなどを思わせる、深く濃厚な味わいに仕上がっています。

 もう一つのポイントはアルコール度数の高さです。「ディープブレンド」は45%と、飲み応えのある度数に設定されているのですが、連載第一回目でお話させていただきました通り、アルコールには度数が高いほど多くの香りを閉じ込め、度数が下がるとその香りを解き放つという性質があります。ですので、水分とゆっくり馴染ませながら楽しめるロックにしていただければ、閉じ込められていた多くの香り成分が少しずつ解き放たれ、大切な時間をより深くゆっくり楽しませてくれると思います。

 もちろん、ウイスキーは様々な飲み方で楽しんでいただけるお酒ですので、水割りでもハイボールでも、お飲みになられる方がおいしいと感じる飲み方が一番なのですが、「ブラックニッカ」の3兄弟にはある共通の特長があります。

 それは、「伸び」の良さです。ウイスキーを評価するさい、水割りやハイボールにしても香味のバランスが崩れない状態を「伸びがある」と表現するのですが、ニッカのブレンダーの技術が注ぎ込まれたブレンデッドウイスキー「ブラックニッカ」は、味の「伸び」が非常に良いのです。

 「ブラックニッカ」の3兄弟で、いろいろな飲み方を試していただいて、好みや飲用シーンにぴったりの味わいを見つけていただければ。ぜひ一度お試しください。

豊潤な味わいの「ブラックニッカ リッチブレンド」(右/アルコール分40%。容量は180㎖、700㎖、4ℓの3種。オープン価格)と、深く濃厚な味わいの「ブラックニッカ ディープブレンド」(アルコール分45%。容量720㎖。オープン価格)

※「醸-かもす-」2016年4月号掲載

※本記事の内容は日付等の記載がない限り「醸-かもす-」掲載時点でのものであり、将来にわたってその真意性を保証するものでないこと、掲載後の時間経過等にともない内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。

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